M2の岡田です。
9/27(木)に学会発表を行いましたので報告させて頂きます。
学会の詳細は以下の通りです。
学会名:日本VR学会複合現実感研究会(VRSJ-SIG-MR)
URL:http://www.ime.cmc.osaka-u.ac.jp/CONFERENCE/SIGMR_/
開催日:2012年9月27-28日
会場:根室市総合文化会館(27日)、根室グランドホテル(28日)
共催:マルチメディア・仮想環境基礎研究会(MVE)、日本VR学会サイバースペースと仮想都市研究会(VRSJ-SIG-CS)
連催:ヒューマンインターフェース学会バーチャル・リアリティ・インタラクション専門研究委員会(HI-SIG-VR)
[9月27日]
学会1日目のセッションは以下の通り。
・アンビエント・ソーシャル・インタラクション
・マルチモーダルインターフェース
・招待講演
・ビジュアルトラッキング・コンピュータビジョン
・バーチャルリアリティ
私の発表はビジュアルトラッキング・コンピュータビジョンのセッションでした。
1日目の会場は根室市総合文化会館。
根室は奈良と比べ10℃近く気温が低く、体と心を震わせながら会場に向かいました。

この日の発表で印象に残った発表は、「TrakMarkのための仮想化現実モデルを用いた
ベンチマークスイートの開発とカメラトラッキング手法評価への適用」です。
これはカメラトラッキング手法の推定精度を評価するためのベンチマークに関する研究で、
発表では仮想空間における歩行モーションの再現法や推定精度の評価手法の説明が主でした。
このTrakMarkと呼ばれるプロジェクトが成功し、世界中の研究者の負担が軽減される事に期待です。
もう一つ印象に残った発表は、招待講演の
「~酪農郷を結び、人と人とを結ぶ道~酪農家集団が造り上げた“根室フットパス”」です。
日頃研究している内容とは大きく異なる発表でしたが、色々と興味深いお話を聞く事ができ、
とても楽しい時間を過ごしました。
タイトルにある“フットパス”とは、根室にある牧場の中を探索するツアーのようなもので、
根室フットパスは日本初のフットパスだそうです。この根室フットパスを実現するまでの様々な
活動・苦労について(牧場に部外者が入る事は法律で禁止されている事など)聞くことが出来ました。
もし根室に行く機会があれば、この根室フットパスを観光候補に入れてみてはいかがでしょうか?
URL:http://www.nemuro-footpath.com/
また講演の最後に、酪農の難しさについての説明がありました。乳牛1頭の飼育は数年単位の
スケジュールの元で行われており、急に「乳牛の数を減らせ!」「牛乳の収穫量を増やせ!」と
言われても困る、牛乳は蛇口を捻れば出る物ではない、と強調していたのが印象的でした。
この招待講演の次が、私の研究発表でした。 オナカイタイデス
発表時間は20分、質疑応答は5分。 ハッピョウジカンナガィ
題名は「カメラズームによる内部パラメータの変化を考慮した拡張現実感のためのカメラ位置・姿勢推定」。
内容を簡単に説明しますと、カメラのズーム機能を用いることで変化した内部パラメータ(焦点距離など)を、
連続フレーム間における自然特徴点の対応関係を用いて推定することで、ズーム対応のマーカベースARを実現する手法です。
発表の出来は…以前の学会発表に比べればマシになった(気がする)のですが、
緊張の余り、質疑応答における解答が少し見当違いになってしまいました…
20分という長い発表時間が終えたことに安心し、少し気が抜けてしまったからかもしれません…
もし次の機会があれば、最後まで気を引き締め、的確に質問に答えていきたいです。
姿勢がだらしない…シャキッとせいシャキッと!
[9月28日]
学会2日目のセッションは以下の通り。
・複合現実・拡張現実
・テレプレゼンス
・触覚・嗅覚
2日目の会場は、根室グランドホテル。

印象に残った発表は、「拡張現実感における擬似触覚を用いた引力提示に関する一検討」です。
これは、バーチャル世界とのインタラクションにおける力触覚に関する研究で、
物理デバイスを用いるのではなく、ユーザが想定する仮想物体の動作量と実際の動作量の間に生じる
ズレを利用することで擬似触覚を生みだすという内容でした。
(マウスの現実世界での移動と、PC画面上でのポインタの移動に置き換えると、想像しやすいかも)
わざとユーザの希望とは異なる動作を行うことで、よりリアルに感じさせる事が出来るというのは、
とても衝撃的でした。このような柔軟な発想が出来るようになりたいです。
少し余談ですが、2日目の学会終了後、学外の学生と一緒に、
根室名物のB級グルメ「エスカロップ」を食べに行きました。
エスカロップとは、バターライスの上にポークカツレツを乗せ、デミグラスソースをかけたものです。

このカツが柔らかく、バターライスが絶妙に合っていて本当に美味しかった!
このエスカロップに限らず、根室の食べ物は美味しいものばかりで…
研究頑張って良かったな~とシミジミと感じました。
色々と大変でしたが、普段会うことのない方々と話をしたり、
ちょっとした観光ができ、この学会に参加して良かったというのが正直な感想です。
現在のM1の方は、来年の参加を文句なしにオススメします!
(…来年からは島に行くと耳にしましたが気のせい)
以上、長くなりましたが学会報告でした。