「頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラム」の一環として,現在本研究室から2名の助教(浦西先生および山本)がフィンランドのオウル大学に滞在中です.本投稿記事は山本が記しています.
先日6月2日から4日にかけて,加藤先生のオウルご来訪の機会ありました.そのときのできごとを綴っておきます.写真の多くは加藤先生から提供いただきました.
[6月2日: 加藤先生オウル到着]
加藤先生到着後の一声は「冬やな!」でした.無理もありません,ここオウルは6月にも関わらず,10度前後をいったりきたりの温度変化で未だにジャケットは必要です.今年のオウルの気温は例年に比べて低いようです.さらに天候もすぐれず小雨模様の天気でした.そのような環境に,加藤先生はオウルとは真逆のようなリオデジャネイロからお出でになられたのですから.
ホテルに到着後,2日の晩はフィンランド料理を食しに Sokeri-Jussin というレストランに向かいました.加藤先生と浦西先生はサーモンスープ,山本はトナカイのタンの蒸し焼きのようなものをいただきました.同時に,浦西先生のテイスティングチェックされた白ワインもいただきましたよ.
加藤先生,ごちそうさまでした.夜21時頃に店を出ましたが,曇りがちでありながら外は明るく,これも北の国ならではの体験でしょう.
[6月3日: 観光およびPulli教授との晩餐会]
3日は,午後から加藤先生・浦西先生とオウル観光,その後オウル大のPulli先生・研究員Zeeshanと合流し,ディナーをご一緒させていただくという予定.
まずは観光からです.オウルのデパート Stockmann にてお買い物です.この日は1ユーロ97円前後,すべてのものがお求めやすいお値段になっているような気がしました.ただ,インテリア(洗練されたデザインの椅子やソファ,照明器具など)は一桁間違えているのではないかと思えるほど高価なものでした.高価だろうがセンスのいいインテリアは売れるんでしょうね,さすがおしゃれな国フィンランド.
買い物後は街を歩きました.歩いたと言っても,前日から断続的に小雨模様でしたので,オウルのシンボル Toripolliisi を見にいき,海を見ておしまいでした. その後,加藤先生ご宿泊のホテルにて夕食の待ち合わせ時間まで待機することに.今回残念な天気になってしまったのですが,晴れていると澄み切った空と碧々した草木が拡がる美しい景色を見ることができます.その景色は追々載せることにします.
晩餐会は,Pulli先生予約してくださった Toscana というイタリアンレストラン.おしゃべり好きそうな明るいイタリア人が迎えてくれました.写真を見ての通り,前菜からボリュームがあり,食べきれそうにないほどでした(ここは日本人だからか,三人とも残すことなく食べきったと思います).店内は貸し切り状態だったのですが,きっとフィンランド人は夕飯の時間が早いので,みんな帰ってしまったんだと思うことにしました.このお店も9時にはコックが帰ってしまいましたしね.
Pulli先生,ごちそうさまでした.
[6月4日: 最終日,加藤先生オウル大研究室訪問]
この日,加藤先生はオウル大学にて我々の活動状況を視察し,夕方の便でフィンランドを発たれる予定.
オウル大Pulli先生のプロジェクトVESCでは,生活の質(QoL: Quality of Life)向上に着目し,特に弱認知症である高齢者を対象とした支援環境の実現を目指し,日々研究を行っています.フィンランドも日本と同様で,超高齢化社会を迎えつつあり,一人の高齢者を支援するための経済的負担・介護者の負担等の観点から,高齢化は重要な問題として扱われています.特色としては,ただ支援するのではなく,高齢者のQoLを考慮し,高齢者自らが自立した生活を営めることを目標としている点でしょう.NAISTからの遣芬使(造語です)は技術面を担当することが多いですが,バックグラウンドにあるフィロソフィを学ばせてもらうのが重要だと思っています.
下記の内容で,約5時間ほど加藤先生には活発な議論をしていただきました.たくさんの貴重な意見ありがとうございました.
1. Zeeshan: Presentation, “Smart kitchen overview”
2. 浦西先生: Demonstration, “Smart kitchen technology”
3. 山本: Short introduction, “Laser-based smart navi technology for outside use”
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4. Future cooperation & activities planning
Pulli先生に空港まで送っていただき,最後に記念写真を撮りました.青いバンドが目印のスーツケースもしっかり写っています.
加藤先生はフランクフルトで一泊後,帰国する予定でした.見送るために空港建物に入り,チェックインが終わるのを待ちました.すんなりとはいかないもので,加藤先生の荷物が成田に届くようになっていたらしく,それをフランクフルトに切り替えるのに時間がかかったようです.チェックインは無事に終わったようだったので,加藤先生を見送りました.
しかし,ここで終わりではありません.ここからです.
加藤先生にある事件が起きました.
ヘルシンキにてフランクフルト行きの便に乗り換えるときのことです.当該便は遅れ等などの影響から搭乗を待つ必要があったらしく,その間加藤先生は飛行機の写真を撮られていたそうです.その際に最大望遠で撮影された一枚がこちら.
ただ,どこかでみたことのあるものが写っていませんか?そうです,青いバンドのスーツケース,加藤先生の荷物です.このとき加藤先生は,『積み込みを後回しにしている.優先タグが着いているので,おそらく最後に積み込んで,搬出は最初にするように考えているんだな.』と思われていたそうです.
しかし,
加藤先生の心の声『あれ,積み込まない.どこかに電話してなにやら確認している』
『おいおい,どこにもって行くんだ!!』
『おーい,戻ってこいよ.』
というわけで,トラブル発生です.原因はオウルの空港でのチェックイン時にあったようです.オウル空港カウンタスタッフの手違いで,ヘルシンキ=>フランクフルト便のチェックインがキャンセルされていたらしく,荷物を積み込まなかったとのことです.ゲートに行き,証拠写真を見せながら事情を説明することでなんとかこのトラブルから脱されたようです.
肉眼では見えないものを望遠で写せるだけでなく,それを即座に見せることができるデジカメ.あっぱれですね.
こちらは無事にフランクフルトのホテルに到着された証拠です.ちゃんとスーツケースがありますよ.