ISMARとは?:
The premier international conference on research into the science, technology, applications and uses of Mixed and Augmented Reality.
日時: November 5-8th 2012
場所: the campus of the Georgia Institute of Technology, at Georgia Tech’s Hotel and Conference Center, Atlanta, Goargia, USA
参加者: およそ350人
口頭発表: 28件
ポスター発表: 35件

D1の藤本です.
ISMAR2012です.遂にこの日が.来た.
ISMARと言えば,上記のように参加者等規模こそそこまで大きくないもののAR,MR分野ではトップカンファレンスと言って差し支えない学会です.
ポスター発表ながら今回奇跡的に参加できることになったので(去年はそのポスターにも落ちたわけですが),発表報告をします.
あこがれの学会のため,ISMARからお金をもらっているかのようにほめちぎっていることや
個人的偏見やバイアスが多分に含まれていることにはご容赦ください.
フルーツもパンも朝から食べ放題.缶やペットボトルなどのソフトドリンクも飲み放題.
すごいぞ,ISMAR!


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以下,雑感を時系列無視で述べていきます.
口頭発表(Illumination部門)
個人的に期待していたのが以下の発表.
Real-Time Surface Light-field Capture for Augmentation of Planar Specular Surfaces
Jan Jachnik, Richard A. Newcombe, Andrew J. Davison.
PTAM等を用いて環境を3次元復元した後,その環境に対してライトフィールドを
リアルタイムで導出し,ハイライトなどをシミュレーションするというもの(タイトルそのまま).
デモも見に行きましたが,かなりロバストに動いていました.
質問したところ,今回の発表では平面に限っていたものの現在平面以外の物体にも
取り組んでいるとのこと.ソースコードほしい…
このセッションは他の発表もすべて面白く,AR関係のレンダリングはここまで進歩しているのか,という感じ.論文チェックする人にはお勧めです.
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口頭発表(Interaction部門)
今更言うまでもありませんが,内容がしっかりした研究は発表もしっかりしています.
普通,ユーザ実験の実験設定や目的にはよほど気を使ってもなんらかのケチが一つくらい
つくものですが,これら発表はケチのつけようがありません.
ARでユーザスタディをやって口頭発表を行うためにはここまでやらないといけないのかという
ラインを改めて実感.
ユーザスタディ系の研究をやる方々はこれらのProceedingsもチェックすることをお勧めします.
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ポスター発表(自身の発表)
今回の自身の発表について少し.ポスターを作成する際に今回一番気をつかったのが,研究の論理構造を分かりやすくみせること.
写真左が私のポスターになります(自分で隠してる…).
30分くらいで作ったように見えるポスターかもしれませんが,余計なデザインは省き,文章は短くし,シンプルになるように各要素を配置することに尽力したつもりです.

しかし,周りを見ていると様々なポスター哲学により作成されたポスターがあります.
シンプルにつくるだけが全てじゃないことを実感…次回のポスター発表に活かします.
あまり興味を持ってくれない方,実験結果に懐疑的な方,同じように記憶とARの関係性に着目して研究しているという方,様々な方がいますが,伝えたいことが英語で十分に伝えられない歯がゆさ.
あと,途中誰にも興味を持ってもらえず,ヒマな時がありましたが,ヒマなポスター発表さびしいです…
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各賞受賞者発表
今年のベストペーパーは
Live Tracking and Mapping from both General and Rotation-Only Camera Motion
STEFFEN GAUGLITZ, CHRIS SWEENEY, JONATHAN VENTURA, MATTHEW TURK, TOBIAS HOLLERER.
が受賞しました.
発表を聞いた感じだと,タイトル通りreal-time tracking and mappingの論文で通常はVisualSLAMを行い,カメラの動きがほぼ回転のみと仮定できるときは自動的にホモグラフィを仮定したパノラママッピングのモードに切り替わることで(この切り替え位置の推定がキモ?),ユーザのサポートなく,どちらのカメラ動作にも対応できるようにしたもののようです.
さらにトラッキングが失敗した時,既存のシステムでは初期化を行うまでのデータを全て捨てていたのに対し,失敗した位置から再度mappingを行っていき,復帰できたときにそれらのデータを統合できるようにしたこともコントリビューションのようです.
また,
加藤先生が栄えある賞を受賞されました!

10 YEAR LASTING IMPACT AWARD
Marker Tracking and HMD Calibration for a Video-based Augmented Reality Conferencing System
International Workshop on Augmented Reality (IWAR) ’99
HIROKAZU KATO
MARK BILLINGHURST
AWARDED FOR THE SIGNIFICANT ACADEMIC AND COMMERCIAL IMPACT
OF THE ARTOOLKIT. AS THE MOST WIDELY CITED ARTOOLKIT PAPER,
THE RESEARCH PRESENTED IN THIS PAPER BROUGHT AR WITHIN THE
REACH OF COUNTLESS INDIVIDUALS AND HELPED MAKE THE FIELD
WHAT IT IS TODAY.
この賞は加藤先生の上記の論文がこの分野に与えた多大な影響を讃えたもの.
加藤先生,本当におめでとうございます!!
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アメリカの食べ物

このトマト,ミニトマトではないのだ,お分かりいただけるだろうか.
加藤先生に連れて行っていただいたBBQショップ,ごちそうさまでした.

とにかくでかい…

あれ?慣れてきた…
最終日,空き時間を利用してコカコーラミュージアムに行ってきましたが,
言うまでもなく研究のためです.
すばらしい鏡面反射物体


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AR/MRの分野の最先端の研究発表が聴けるISMARに参加できたことは最高の
経験になりました.今回発表にあたり,論文や発表のチェックをしていただいた方々,
その他全てのお世話になった方々にお礼申し上げます.
来年はAdelaide(Australia),発表締め切りは4月,
ぜひ来年も参加できるように,今から死ぬ気で研究を…