こんにちは,M1の小島です.
福井さん,Luizに続きオウル大学にインターンシップ生として1ヶ月間の留学をしてきましたので,報告します.
福井さんの報告にもあるように,僕たちの研究室とオウル大学との間で交換留学カリキュラムがあり,そのおかげで今回私もインターンシップをさせていただくことができました.
私はオウル大学の中でも,Department of Information Processing ScienceのPetri Pulli教授のもとで学ばせていただきました.この研究室では,主に高齢者を対象とした支援アプリケーションの開発を行っており,ソフトだけでなくハードウェアの設計開発から行っています.そのため,ファンクションジェネレータなどの機材が置いてあり,学部時代に電気を専攻していた私としては,なんとなく落ち着く空間でもありました.
回路から手作りの眼鏡型デバイスはスマホと連携してナビゲーションを実施する.
さて,私がやらせていただいたこととして,一つに特許調査がありました.瞬きやウィンクなどの瞼の動きに着目し,それを検出するアルゴリズムやそれを入力として使ったデバイスなどの特許を調査報告し,議論をしました.改めて調べてみるとなかなか面白く,例えば自動車運転時の覚醒度を判定するものや,Google社のSightのようなコンタクトレンズ型のデバイスがあったりと,想像以上に多くのものが考えられている世の中なのだなと感じました.
Google社のSightを思わせるデバイス (US20130258287 A1より抜粋)
それからもう一つはオウルの教授や学生との研究に関するディスカッションです.こちらの大学では,モノを作るのはもちろんのことですが,それ以前にそのモノを作るための基礎となる理論を研究していらっしゃる方が多くいます.例えば,人の行動変容を促すためにはどういう設計にすべきか,という研究などです.理論の研究というと,あまりお金にならないイメージがあり,日本では積極的に取り組まれていない印象ですが,本質を捉えるためには欠かせないものだと思います.そしてこれはまさに僕の研究にも直結するものであり,議論を通して得るものが多くありました.
Persuasive systemsの研究に関する博士論文公聴会の様子
Pulli教授をはじめ関連の研究者の方々とディスカッションをしながらのランチ(なんとお寿司!)
そして,SIGCHI Finlandにも参加しました.特に印象に残ったのはPOLARの方のヘルスケアデバイスに関する話です.この手の分野は多くのデバイスが乱立する一方で,これといった決め手を欠いたような状態が続いており,今後の動向も注目すべきところだと思います.
SIGCHI Finlandより,POLARの方の発表の様子
さて,書き続けるときりがないので,このあたりで.
最後に,オウルで出会ったすばらしい仲間との思い出を載せておきますので,いいなと感じたらみなさんもぜひ留学をしてみてください!
毎週水曜日に開かれる日本語を勉強したい人が集まるCafé linguaの様子
短い間だったのにお別れパーティまで開いていただきました.ありがとうございました!