ツンデレプロジェクト

本プロジェクトは学生主体のプロジェクトであり,各メンバーの主研究の合間に協力し合って進めております.

構築中のARとロボットを用いて作業意欲を向上させるシステムの概要
バーチャルエージェントは作業に対してやる気がない利用者にツンツンした振る舞い,頑張るにつれてデレデレした振る舞いを使い分ける,エージェントが利用者に触れると同時にロボットが連動して触れることで,利用者はエージェントから実際に触れられているかのように感じ,エージェントの存在感をより得ることができる.


ツンデレインタラクションとは?

 罰と報酬を組み合わせるオペラント条件付け理論を基に,ユーザの好意的な相手が冷たい振る舞いと優しい振る舞いを組み合わせて,人の意図する行動を誘発(行動誘発)させるインタラクションである.


研究概要

 行動誘発とは,人の行動パターンをより望ましいものへと変えることであり,部下や子供の教育や患者の治療やリハビリの継続に効果があるとされている.ただし,人の手を借りずに行動誘発を起こすことは難しく,例えば,在宅ワークにおいては,仕事と私生活の境界線が曖昧なために自己管理が難しく目標設定が困難となるために作業モチベーションが低下するなどの問題がある.

 一般的に,外部からの働きかけによってモチベーションを向上させる研究では,主に学習者の成果に応じて褒めるなどの報酬を与える方法が用いられている.ただし,この方法は,指導者と学習者との信頼関係が成立していない場合には,慢心や増長を促してしまう可能性がある.これに対して,叱るといった罰を与える行為を組み合わせることで説得力が向上し,相手との信頼関係を強化することが知られている.ただし,罰を与えるによって,その人の学習モチベーションを喪失させてしまう可能性がある.つまり,学習モチベーションの向上を目的とした罰の振る舞いと報酬の振る舞いを用いたインタラクションには指導者と学習者間の信頼関係と,罰と報酬の適切な使い分けが必要となる.これに対して,日本のサブカルチャーの1つで有名な,多くの魅力的なキャラクターに見られる「ツンデレ」による罰の与え方に注目した.ツンデレは,ツンツンとした冷たい態度(罰)を与えているにもかかわらず,その態度の中に少しデレデレとした優しい感情(報酬)を見せることによって相手を魅了し信頼関係を強化する効果を持つ.

 そこで,私たちはこのツンデレが有する感情と態度が異なる振る舞いの仕組みを用いて,人の行動を誘発させるインタラクション(ツンデレインタラクション)を提案した.さらに,本研究では,拡張現実感(AR)技術やロボットを用いて,バーチャルエージェントによる視覚,聴覚,触覚的な刺激(振る舞い)を与えることでこのインタラクションを実現するシステム(ツンデレインタラクションシステム)の構築を行っている.


※本プロジェクトで用いる「ツンデレ」は美少女キャラクターに限定したものではなく,男性キャラクターや猫などの中性キャラクターでも適用可能である.
例)美少女キャラクター以外のツンデレ例
– 男性上司:普段厳しい言葉を投げ掛けてくるにもかかわらず,厳しい言葉の中で少しだけ褒めて/認めてくれた雰囲気を感じる.
– 猫:自分(主人)のことが好きであるにもかかわらず,構ってくれない.


本研究の応用先例

なかなかやる気が起こらない環境下にいる人たちのモチベーション改善
①老人ホームの介護用ロボット
②病院等でのリハビリ支援

人々の行動調整
①テーマパーク内の人を誘導するアシスタント(渋滞緩和)
②運動や睡眠,食事の提案・誘導を行う健康管理アシスタント


活動歴

2020/6 プロジェクト開始
2020/7 NAIST 競争型学生提案プロジェクトCICP2020 採択
2021/1 メイドカフェCCOちゃと共同研究開始
2021/2 NAIST 競争型学生提案プロジェクトCICP2020 最優秀賞(Best Research Award)受賞
2021/3 ACM/IEEE International Conference on Human-Robot Interactionにてポスター発表
2021/6 NAIST 競争型学生提案プロジェクトCICP2021 採択
2021/9 日本バーチャルリアリティ学会2021にて口頭発表
2021/11 朝日デジタルにて本プロジェクトに関する取材記事公開
2021/11 メイドカフェCCOちゃにてツンデレによるモチベーション向上効果の調査実施
2021/12 ITmediaにて本プロジェクトに関する記事公開
2021/12 フジテレビプライムオンラインにて本プロジェクトに関する取材記事公開(Yahoo!ニュース)

2022/03 NAIST 競争型学生提案プロジェクトCICP2021 最優秀賞(Best Research Award)受賞
2022/03 MVE研究会 MVE賞受賞
2022/07 CNR研究会 学生講演奨励賞受賞
2022/07 朝日放送 ナニコレ珍百景 珍百景登録!!


プロジェクトメンバー

プロジェクトリーダー:田井中渓志
共同研究者:児玉哲哉川瀬寛也山内翔太郎淺田樹生Isidro Butaslac田口和駿
プロジェクトアドバイザー:澤邊太志 助教


連絡先

田井中渓志
・E-mail: tainaka.keishi.ta1@is.naist.jp
澤邊太志
・E-mail: t.sawabe@is.naist.jp
・TEL: 0743-72-5332